2015.03.26
DetonatioN FocusMeLEAGUE OF LEGENDS

[Maa's Report] 『第一回 日本eスポーツ学生選手権』LoL部門に参加

eスポーツ学生連盟主催 『第一回 日本eスポーツ学生選手権』 League of Legends 大会参加レポート
先日3月14日(土)に行われました『第一回 日本eスポーツ学生選手権』、そのLeague of Legends部門(以下LoL)に、DetonatioN・Maa氏が参加しました。
その貴重な経験をレポートとしてお届けします!

本記事は、ライターであるMaaが参加したリーグを中心に表記しております。

2015.3.29 DetonatioN Staff

総勢8チーム、2リーグが揃った学生選手権

手作り感が漂う会場入口
手作り感が漂う会場入口
 3月14日、渋谷の一角にある日本経済大学大学院にて、第一回eスポーツ学生選手権が開催された。
 学生に限定した個々のタイトルでのゲーム大会は、古今東西様々なところで開催されているが、本大会は複数の競技的なタイトルをeスポーツと題し、一度に執り行う新たな試みだ。

 今回の大会で取り上げられるゲームは七種類で、うち四つが格闘ゲーム、二つがパズルゲーム、そして残る最後の一つが今回、私が参加したLeague of Legends (LoL)となる。
 ライアットジャパンが東京にオフィスを構え、日本でのサービスローンチが定められた未来となった今、国内のLoL人口は年々増加し続けている。しかしながら、LoLは一般的には未だにマイナーなゲームであるのは間違いなく、学生限定でかつオフラインでの参加に限定された本大会に、どの程度のプレイヤーが見込めるか、甚だ不透明ではあったが、それは杞憂に終わった。

 総勢七チームが出揃い、渋谷の地で熱戦を繰り広げたのである。

文字通り学生主体の大会は運営側も学生が協力して行う

開場と選手たちを待つPC席/配線も設置も自分たちでやるところから始まる。イベントならではの光景
開場と選手たちを待つPC席/配線も設置も自分たちでやるところから始まる。イベントならではの光景
 今回の出場チームは、前述の通り七チーム。日本電子専門学校、東京工科大学、早稲田大学、芝浦工業大学、東京農業大学、学習院大学、それに運営の学生を集めたチームである。

 大会ルールは、この七チームを二つのリーグに分け、それぞれのリーグのトップが決勝戦でぶつかるという具合だ。ゲームはBo1で、油断の許されない一発勝負となる。
 今回の選手権は、学生であれば誰でも参加できるわけではなく、同一学校から三人のメンバーを揃えることが必要であり、そのため、学生の強豪プレイヤーが好き勝手にチームを作るということは難しくなっている。これはLoLというゲームがまだ過渡期にあり、単一の学校から五人全員を揃えるのが難しいと運営が判断した結果であり、暫定的処置と言えるだろう。
 将来的にLoLがもっと人気のゲームとなれば、単一の学校からメンバーを揃えなければならないというふうに、ルールが改正されることもあるのではないだろうか。
(余談だが、本大会は高校生の参加も認められていたが、今回は専門学校と大学校からのみの参加となった。)

 大会は、選手の遅刻や開場設備の不備により、定刻から30分遅れること、12時半から始まった。二試合を並行して行い、片方の試合はプロジェクターで映しつつ、配信を行うという一般的なスタイルで進行した。本選手権は、動画配信サイトTwitch.tvにて配信され、全国どこからでも視聴が可能となっていた。また、試合の解説には、国内唯一であるLoLのプロリーグ‘’LJL‘’に出場しているチームCrooze Rascal JestarからRainbrain選手が駆けつけ、プロの視点での丁寧な解説により会場を盛り上げた。

寄せ集めに思われたチーム、その実力は…!!

参加選手と応援する人たちで埋まる会場。モニターには試合の様子が写し出されている。
参加選手と応援する人たちで埋まる会場。モニターには試合の様子が写し出されている。
 前述の通り、今回の選手権は同校から最低三人のメンバーとオフラインでの試合という二つの縛りがあったため、その分だけ試合の質も下がるだろうと思っていた。参加したプレイヤーの実力をパッと見で平均化すると、ゲーム内の公式レートでGold 5というふうに感じられた。言うまでもないが、これはオンラインで開催される一般的な大会のレベルには及ばない。だからこそ私は、選手権とは名ばかりの交流戦になるのではないだろうかと危惧していたのだが、その心配は必要がなかった。

 自身が参加したゲームも、観戦したゲームも、全てにおいてチームプレイの基本が抑えられ、その動きはトップチームが行う基本的な流れを踏襲したものとなっていた。チーム全体で視界を確保し、オブジェクトの確保に励み、自分たちの強みを活かした立ち回りを行う。
 もちろん、個々の技術に関してはまだまだ荒削りなものが多く、プレイングの事故は少なからず見られたが、チームとしての洗練された動きがなされていたのだ。
 率直に言って、NAでのノーマルゲームと似たりよったりの展開になると思っていたのだが、各チームの練習の成果か、とても見応えのある試合が披露されたのだった。

 しかし一つ残念なことがあった。大会の進行が当初より遅れていたせいか、なんとグループリーグを終えた時点で、閉会時間となってしまったのだ。つまり本来あったはずの決勝戦がカットされてしまい、頂点が決まること無く、尻切れトンボ気味に閉会を迎えたのだった。
 運営側も初めての試みであったため仕方ないことなのかもしれないが、選手や観客としては不満が残った人もいるかもしれない。これは来年度以降に向けた改善点として、課題に残るだろう。
 そういった経緯があり、優勝チームが二つ誕生してしまったものの、それ以外に大きなトラブルはなく、初のLoL学生選手権は終了した。

大会参加を終えて

 現在日本にはLJLという世界に通じるトップリーグがあるが、そのハードルは技術的に著しく高く、一般人が気軽に出場し、勝利を収めることができるようなものではない。しかしながら今選手権のような形であれば、初心者から上級者まで楽しめ、eスポーツの裾野を広げることが出る。今後、LoLの日本サーバーが開設されれば、こういった大会の需要はより大きなものとなっていくだろう。そのような意味でも、この段階での学生向け選手権は良い試金石になったのではないだろうか。
 また日本サーバーを将来牽引するのは極一部の上級者でなく、大多数を占める初中級者となる。そういったファン層を増やす目的でも、このような大会は非常に意義がある。
 日本のeスポーツを取り巻く環境は以前に比べ大幅に改善してきているものの、先行きは未だに不透明だ。その日本のeスポーツシーンに新たな一面を開くことが出来るであろう学生選手権に、学生である自分も注目したいと思っている。
 なお、ここまで私の試合に触れることはなかったので、最低限の結果を報告しておくと、我がチーム 東京農大〜稲のことは稲に聞け〜 は、総当りの一、二回戦を勝ち進んだものの、最後の学習院戦で敗北し、グループ二位で試合を終えた。
 チームの皆で試合前にいきなりステーキ300グラムを平らげたせいで、胃もたれを起こしながらも頑張っていたのだが、悔しい結果となった。来年度も機会があれば挑戦したいと考えている。
 本大会には東京MXで放送されている番組、eスポーツMaxの取材があった。近いうちに放送されることになるだろうから、それにも期待だ。

本記事にて高校生チームの参加が認められなかったという点に事実との相違がございました。実際には個人単位での参加が認められ、選抜チームのメンバーとして出場をしています。
また該当の選抜チームは二つあったリーグのうち片方で、優秀な成績を残しました。慎んでお詫び申し上げます。

2015.3.30 Maa

 

ライター・写真:President Maa
編集:DetonatioNスタッフ

第一回 日本eスポーツ学生選手権

『第一回 日本eスポーツ学生選手権』はeスポーツ学生連盟と日本eスポーツ協会の主催で実施された、学生主体のゲーミング大会です。
大会は4部門7種目で開催され、現役の高校生~大学生が各競技で競い合いました。

  • 開催日時: 2015年3月14日(土)、15日(日)
  • 会場: 日本経済大学246ホール (渋谷区桜丘町25-16 10号館1F)
  • 入場料: 無料
  • 主催: eスポーツ学生連盟、日本eスポーツ協会
  • 協賛: 東京アニメ・声優専門学校/株式会社マウスコンピューター 「G-Tune」/EIZO株式会社/株式会社デジタルハーツ

ストリーミング

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